ホームページ制作で失敗しないために知るべきこと

その1:どこから持ってくる?

スマートフォンでの撮影

ホームページでは商品やサービス、その他伝えたい事を文章で記述する訳ですが、文字しかないページは見るのが辛いですね。
「百聞は一見に如かず」という言葉もありますし、やはり内容に即した画像が必要です。

 

では、どうやって画像を用意すれば良いでしょうか。いくつか方法があります。

 

自分で撮影する

 

昔はデジカメで撮影していましたが、今なら誰でも持ってるスマホで撮影出来ますね。
それをパソコンに取り込んで加工して使います。

 

何か商品を売っているなら、その商品を撮影すれば良いですし、サービスなら、そのサービスを使っている様子や、サービスを導入する「ビフォーアフター」の状況を撮影するという方法もあるでしょう。

 

問題点

 

「ビフォーアフター」の状況と言っても、人間が演じる必要がある場合もあるでしょう。
しかし、演じると言っても、難しい事もあります。
人数の問題や、スタッフが嫌がる事もありますし、顔を出さないといけない場合などは、無理強いは出来ません。
そもそも、写真では伝わりにくいサービスなどもあるでしょうし、サイトの主題を表す写真を撮るのが難しい事もあります。

 

 

画像サービス

 

ホームページで使えるイラストや写真を配布しているサイトがあります。
そういったサイトでは、有料のイラストや写真を販売していますが、無償の画像が用意されているケースも多くあります。

 

プロのイラストレーターが描いたイラストや、写真家が撮影した写真が多数掲載され、イメージに合う画像が見つかる事も多くあるでしょう。
かくいうこのサイトでも、そういった写真を使っている場所もあります。

 

問題点

 

オーダーメイドではありませんから、微妙にイメージが違うとか、合う画像が探し出せない事も少なくありません。
商用利用可の画像を利用する必要がありますので、画像に添えられた権利関係をよく確認する必要があります。
人物が出てくる場合、海外の画像サービスサイトだと外国の方しか出てこない事もあり、サイトによっては不向きでしょう。

 

 

自分で描く

 

イラストや図の場合、自身で描く事も考えられます。
絵心に自信があれば、誰よりも商品やサービス、主題に詳しいのですから、最適なイラストを用意出来るでしょう。

 

サービスを解説する図などは、エクセルやパワーポイントで作図して、それを画像ファイルにするという方法がありますね。

 

問題点

 

サイトに載せて世間一般に公開できるレベルの絵を描ける人はそう多くはいませんし、画像作成ソフトを用意するのも簡単ではありません。
有名で多くのイラストレーターが使用しているソフトは高額な上毎月費用がかかるため、画像作成自体で儲けるのでなければ赤字になってしまうでしょう。
作図も時間がかかる事があります。

 

 

発注する

 

イラストや図なら、イラストレーターに発注して描いてもらう事も出来るでしょう。
もちろん、写真の場合もカメラマンや写真家に依頼する方法があります。

 

昔はこういった発注はハードルが高く、大きな企業でないと難しかったのですが、近年ではフリーランスに発注する仲介サイトもあり、起業したてのスタートアップでも選択できる方法になっています。

 

問題点

 

イラストレーターなどのフリーランスの能力は千差万別。
予算とスケジュールとイメージに合う人を探すのは簡単ではありません。
一発で望みのイラストが出来上がるとは限りませんし、リテイクするにもうまくこちらのイメージが伝わらない事もあります。

 

また、納品する形式や条件についても予め確認しておきましょう。
ファイル形式として、画像作成ソフトが扱う形式と出力画像の形式があり、条件によって両方か、いずれか一方のみなどがあるので、注意が必要です。

 

[画像作成ソフトが扱う形式]

そのままではホームページに掲載できません。
出力画像を得る手段が無い場合、別途出力を依頼するといった手間とコストがかかるでしょう。
ただし、画像を編集する場合は、こちらの形式のデータが無いと難しいでしょう。

 

[出力画像の形式]

そのまま、または縮小するだけで使うことが出来ます。
編集が必要となった場合、その画像を業者に渡しても、望む編集が出来ない事があります。

イラストに重なる形でロゴの文字が載っている時、ロゴのフォントを変えたいと言っても、もはやそれはフォントではなくただの画像の一部のため、変える事は出来ません。

 

 

生成AI

 

近年は生成AIでイラストや写真(に見える画像)を作る事が出来ます。
人間相手と違い、やりとりに時間がかかったりしませんし、AIは1枚の画像を数十秒から数分で生成しますから、うまく使えば、望む画像を手早く得ることが出来ます。

 

問題点

 

利用する生成AIサービスによっては、権利関係がグレーになる場合があります。
生成サービスが画像の権利を主張するという話ではなく、そのAIが学習した元データが権利者の許可を得ていないと、生成した画像にもその影響が及ぶ可能性が指摘されています。

 

AIは人間の言葉を人間のように理解するとは限りません。このためAIに出す指示は簡単ではなく、思い通りの生成結果を得るには、ある程度の慣れと何回もの試行回数が必要です。
また、理解が正しくても、以下の様な問題画像が生成される事もあります。まだまだ発展途上の技術と言えるでしょう。

 

・腕や脚が3本あったり、指が6本ある人物
・メインとなる前景はしっかりしていても、背景が歪んでいる(直線のはずの建物の外壁が曲がっているなど)
・遠近が無視されている(手前にいる人物が、十数メートル後方にある電柱を掴んでいるなど)

 

ウエブサービスとして提供されている場合、クレジットの様なものを消費するため、多数の生成を行う場合は課金が必要となります。
自分のパソコンで動かす場合は無料で無限に生成できますが、生成に向いたセッティングの比較的高価なパソコンと、生成環境を作成できる技術力が必要となるため、一般の方にはハードルが高いでしょう。

 

 

このように、様々な方法があり、それぞれに問題点もありますので、時間や予算、その他の事情に合わせて選ぶようにしましょう。
なお、ホームページ制作自体を業者に依頼すれば、画像の用意は業者でやってくれます。
その場合でも、特に使って欲しい画像があれば、提供すれば使ってくれるでしょうし、頼めば写真の撮影をやってくれる事もあります。
図にしても、手書きのラフを渡せば、立派な図として仕上げて掲載してくれるでしょう。


その2:そのまま使って良いの?

昔見かけたブログや個人サイトなどでは、デジカメ画像をそのままアップロードして使用しているものがあり、表示にとんでもない時間がかかる事がありました。

 

ホームページを見てくれる相手は高速回線のパソコンとは限りません。
スマホで自前の電話回線で見ている人も多くいます。

 

パソコンであっても、見に来た人に「全然表示が出ない」とイライラさせてしまうようでは、コンテンツを見ないまま離脱してしまうでしょう。

 

そのため、適切な大きさに縮小する事が必要です。

 

小さくすると、表示に必要な時間も短くなり、問題は解決されます。

 

近年ではワードプレスのように、自動的に縮小した画像を使用してくれるシステムもありますが、そうでない場合は自分で縮小するようにしましょう。

 

ワードプレスであっても、予め縮小しておけばアップロードにかかる時間も短くなり、作業効率から見ても好ましいでしょう。

 

これらは、どの方法で画像を用意しても、大体共通です。

まとめ

ホームページでは画像は重要な要素です。
今回は技術的なお話をしましたが、実はもう一つ大事な要素があります。

 

そ;れは画像を選ぶセンスです。
こればっかりは「こういうのが良い」と説明するのは難しいですし、流行によって変わる事もあるので、扱わない事にしました。

 

ホームページ制作を業者に依頼する場合も、その業者が作ったサイトや、業者自身のサイトを見て、「センスが良い」と感じた所に依頼する。そういった選び方もあるかも知れません。